もうどんな壷だったか花瓶だったか覚えてない。
それを見るのが心底嫌になった苦い経験。
8人兄妹で、従姉妹家族も一緒に住んでい
た我が家は貧乏だった。お小遣い制度なん
て聞いた事もなかったし言ったところで叶
うはずがない。何かの手伝いをしたり、買
い物のお釣りを機嫌が良い時にもらったり
することがない限りお金を持つことがなか
った。すぐに使うという性格だからなのか
もしれないけど(笑)
【見つけた瞬間の興奮ヤバシ】
ある日、母の部屋の掃除をしていた。掃除
は3姉妹で分かれてやることが多かったの
でたまたまその日は母の部屋担当になった
だけ。いつもなら気づかないのに、何故か
ガラス棚にある綺麗な花瓶に目がいってし
まった。オブジェのように置かれていたそ
の花瓶に手を入れて見るとなんということ
でしょう。
そこには何と500円玉が入っているでは
あ~りませんか♪歓喜の喜びで叫んだか
踊ったか・・・定かではない。サンタ
さんはいるんだけど私の家には何故か
やってこないことを悲しくは思ってい
たが仕方が無いと思っていた。サンタ
も忙しいのだと。アリボー結構良い子?
いや、痛い子かな?(笑)だからね・・
500円が入っている花瓶は勝手に自分へ
の贈り物だと解釈した。歓喜のあまり贈
り主が誰かは全然頭にない。もうそれは
私の魔法の花瓶(壷)と思ってしまった。
【隠れて使う・誰にも言わない】
とにもかくにも、バレたら500円のかたま
りが無くなると思った。バレないように
使おうと必死に考えいつもは行かない売店
へチャリで向かったりしていた。使うのも
頻繁ではなく、頻度をかえたりして(笑)
魔法の壷だと疑わなかったのは、もう1つ
理由があった。隠れてお金をつかってもま
た壷にはお金が増えていることだった。ニ
ヤニヤが止まらない私。きっとえげつない
顔をしていたに違いない。そんなことを
繰り返していた楽しい日々。なんて幸せな
毎日だったのだろう☆
【母ちゃんが鬼の形相でやってきた】
「母ちゃんのへそくり使ったの誰か?」
全然ピンとこない。へそくりとは何じゃ?
こんなに怒りくるってるから犯人やばいなと
余裕ぶっこいていた。その次の言葉を聞いて
固まった・・・。
「壷に500円玉ためていたのが減っている」
やばい!やばい!殺される。マジで思った。
その動揺に気づいた母ちゃんに責められる。
後ろで妹だったか兄だったかにチクラレル。
「そう言えばアリボー買い食いしてた」と。
バレてたんかぁーい!そう腹を決めても・・
ガクブルって実体験であるから笑える。
説教とベルトの刑を受けた。ベルトの刑は
SMとは関係ありません、あしからず。
いやぁ~何で気づかなかったんだろうね。
疑いも相談もせずにお金を使うとは。
ウブだったのか、馬鹿だったのか。
神様はいないと思った日。
ネタにできてよかった。